Guitar-er Takahashi Q&A

Q1 ギターをはじめたきっかけ 

12歳でFENを聴き始める。国内放送も聴いていたが、FENのほうが喋りが少ないので  FENを好んで聴いていた。そこで聴いたベンチャーズ、というか、ソノテの音楽にほだされた。国内ではベンチャーズ一色だったが、FENはそうではなかった。で、ベンチャーズはあまり追わず、シャンティーズとかマーケッツとかをよく聴いていた。そのなかでもお気に入りが、The Tornados の Telstarという曲のなかのギターメロ。これがギターを手にするきっかけになった。でも、ギターを買って最初に音に出そうと試みたのは、キャノンボールアダレイのマーシーマーシーマーシー。Tornadosはむずかしくて即あきらめた。

ギターを買った当初はいろいろいじっていたが、半年で飽きて、押入れの肥やしにしてしまった。

その後、洋楽はずーっと聴き続けていたが、1965年あたりから音楽が様変わりし始めた。8ビートと大音量。だんだん自分が洋楽にはまっていくのが自覚できたが、ついにクラプトンとジミヘンに遭遇するに至ってキチガイのように弾くようになった。ジミヘンが死んだ時はまだキチガイになってなかったけれど、彼のことは知ってはいた。

やがて、ブルースという音楽カテゴリがあるってことを知ってから、これにとことん憑かれた。学生だったこともあって、3回寝て起きると一週間たってるみたいな弾き方をした。

 

Q2 年を重ねて身につけた音楽的な事

 演奏の基本は、先人の教えが一番ためになる。

・無理(勉強のこと)をして覚えて、練習して弾けるようになっても意味が無いということ。

・音を出す側としての自分が、音を出すことにどのような意味を持たせているかはっきりさせておかないと、音楽の外側をさまよい歩くことになる。

 

Q3 年を重ねて捨てた音楽的な事

・速弾き

・誰かの演奏をコピーすること

・音楽理論との格闘

・ギターを上手に弾くことができる自分をいとおしいと感じること。


Q4 今までの職歴

・卒業直後:ちいさな電機メーカーに就職。病院のナースコール設備の設計を担当。

・一年半で退職。プロギタリストをめざす。

その後12年間でいろいろやったシゴト:ハコバンド、土木工事職人、トラック運転手、什器レンタル・設置業など雑多。

・あきらめて再就職:ソフトウェア開発会社に就職

・倒産による離職を2回経験する。アホだ。

・2度目の倒産後、フリーになる(イワユル派遣業務)

・60歳で引退、というか、ソフトウェアの世界では60歳ではシゴトがない。

 

Q5 その職歴で一番の印象深かった事

・米軍基地内のパブ及びバーでのシゴト(ギターを弾いた)

米国人(白人・黒人とも)は、人生と音楽との係わり合い方が日本人のそれと全く違う!!を目の当たりにした。目と心が点になった。

 

Q6 職業が及ぼした音楽への影響

ソフトウェア業界にて思い至ったことだが、いわゆる人間ワザというものは、コンピュータは手も足も出せないということ。人間ワザのなんたるかを語るには自分はまだまだ経験不足だが、少ない経験から人間とはとんでもない存在であると考えるようになった。コンピュータが好きでソフトウェアが好きで、ギターほどではないが一応のめりこんだ身、コンピュータってなんてすばらしい機械なんだろう、などと当初は思っていたが、このような考えに至ることによって、自分にとって唯一の人間ワザであるところの音楽をより大事にするようになった。コンピュータを扱う自分と、ギターを弾く自分をきれいに分離するように心がけることが多くなった。


 

Q7 お母様の介護と年金生活について 

まだ全面的に介助しなければならない状況ではないので、自分の時間は十分とれる。ただ、「じゃまたね」というようなフツウの会話が重い意味を持つようになる世界はいままで経験がなく(老人にとって「明日」は確実なものではなく、不測でややこしい事態がてんこもりになってくる)、自分の経験、常識等に別次元の注意が喚起されるのがもどかしい。いろいろなことで気がつかないことが多いし、気がついても対応がむずかしい、かといってほったらかすことができない事柄。そしてそのすべてが、やがて自分にも必ず到来する事柄。心配してあれこれ算段したところで何がどのように起きてくるのかわからないので、心配するだけ損である、とも考える。結局、外部からは、諦観しているかのように見えるに違いない。

まあ、隠居して音楽は好きなだけやれるのが幸いである。といっても、ひがな一日ギターを弾いているわけではない。自分の中にいい音が出てくるのを邪魔するやつ(シゴトという)がいなくなったので、(いい音が出てくるのを)待ってる事のほうが多い。絞り出すみたいなことをしなくなった。反面、弾きたいのにシゴトがタイヘンで・・・・がしばらく続いた後、やっと一段落、「よーし弾くぞーー!!」みたいな、砂漠で水と食料にありつくみたいな状況は無くなった。これはちとサビシイ。自分の演奏力が上達した主たる要因であるから。

 

Q8 何故、今までギタラーの音源が無かったのか?

自分の音楽人としてのスタンスに大きな影響を与えた二つの体験がある。

①米軍キャンプでのシゴト、②筑波の高エネルギー研究所でのシゴト。

①ではギターを弾いたが、②ではソフトウェア開発で訪れた。いずれもシゴトの内容が、ではなくて、そのまわりで起きた、「外人」との接触体験が、である。同じ外人といっても、一方は兵卒及び将校、もう一方は博士号を持った人々である。とにかく、音楽そのものあるいは演奏家というものに対する外国人の態度が日本人のそれと違いすぎる。(尤も、アジア圏外国人の態度はまだ知らないが)。自分がいままで聞いてきた音楽は、こういう人達が作り出したモノ??で、それに重大な影響を受けてきた自分の出す音は、絶対にニッポンオリジンではない。そんなもん日本人に受入れられるはずがない。ので、自分の音を近場で知らしめようなどという徒労は、やるきがない。(つまり、自分の音が受入れられないという悲しい事実に直面したくないワケだ)

ならば、渡米なり渡欧なりしてそっちでどうのこうの・・までは考えなかった。そこまでしてやるほどのもんじゃねえーーてな。

自分の演奏スタイルが形をなしてきたのが、ここ4-5年のあたり。それまでは 試行錯誤とリズム感の養成で手いっぱい。変化してる自分がわかる間は音源は つくる気がおきなかった。

自分の音楽の性質だが、明確なコード進行があって、その線路の上にメロ・ソロが乗っかるというパターンではない。始めに明確なコード進行があることを前提としなくてもOKというプレイヤーはほとんどいないし、複数音を鳴らすとコードとして捕らえようとするのが大多数。よって、音的に孤独であった。明確なコード進行と調性とメロディがあるような曲も作ってはいたが、これは音源にする気が起きなかった。

不精:これが一番の原因です。

 

Q9 今回使用した機材

ギター:FenderJapan ストラト メディウムスケール

ピック:Fender涙形HARD

アタッチメント:EPブースター

弦:ヤマハ 09からのセット

アンプ:VOX AC15C1

ひげそり:National ES6015

携帯充電器:SoftBank ZTDAA1

腕時計:CASIO OVERLAND wave ceptor OVW-110

 

 

Q10 音へのポリシー

・自信をもって間違えれば、それは間違いではない。

・コルトレーンは、わからなくてもよい。

・悲しくないのにマイナー調を弾いたりしない。

・調性は、メロディも担うべき。バッキング依存ではダメ。

・厳密なリズム感は、絶対必須である。

 

番外編

QA10門からはじかれてしまった内容ですが、興味深い内容なので、番外編としてあと2つ、質問に答えてもらいました。

 

 

B-Q1 今までの職業と音楽の関連性

自分の職業は、ソフトウェア開発技術者であった。コンピュータ言語というのは、述語論理学にて構成されていて、超厳密な数学的世界がそこにある。どこぞの宇宙人が造ったものがあるとしたら、それは人類が作ったものと基本は同一なものであろう。人類のみに特有とは考えにくい。一方、音楽はヒトの心の中から現れて、ヒトの心の中に入っていく。そして癒されたり興奮したり、泣いたり笑ったりとんがったり、、、。

よって、本来的には関連はない。それどころか、水と油、と思われる。しかし、出会いがそうでなくさせた。自分の内部に水と油が同居する状況になった。この出会いというのは、とあるソフト製作を担当したこと。その機能は、単旋律を入力とし、バッキングの和音を生成するというもの。旋律のありさまに対してどのような和音がつけられるか、という事柄の解析に、 某音楽家の感性を採用させてもらって、それを人工知能言語を使ってコンピュータにつっこんでやるちゅう、なんとも恐ろしいものであった。

その某音楽家は、言葉よりも先に音符を覚えてしまい、3歳の時にTVから流れるコマーシャルソングを採譜してしまったというエピソードがあり、芸大を出てTVドラマの音楽など多数手がけていた。とにかく彼の音楽的感性はすさまじいもので、「人間って、音をここまで手玉にとれるのか!」ということを思い知らされた方であった。

で、結果なのだが、コンピュータにいわゆる素朴なチャーチモードを理解させることが至難の業で、ドリアンを短調と判定せざるを得ない等、単旋律のみからの和音導出には限界があった。しかし、長調のメロディについてはなかなかの結果が得られた。

但しここでは、より複雑な問題が存在した。コンピュータが吐き出した和音が「いいもの」であるかどうか、の判断は結局人間が行うのだが、これが超くせもので、人によって判断が全く異なる。なので、「いいもの悪いもの」と「正しいもの」を峻別し、コンピュータが出した結果を「正しいものであればOK」という判定をせざるを得なかった。自分自身はそのとき、「正しいもの」にひどく違和感を覚えた記憶がある。

確かに「正しいもの」は耳を混乱させない。フツウである。でも、それは面白い要素を持っていない。このへんから、「正しくないもの」に対する興味が一段と深くなり、曲中で注意を傾けて聴き入る部分が変化していったと思われる。

 

B-Q2 ギタラーのプレイスタイルの自己分析。

・和音中の非和声音は、全体の2/3位まで混ぜ込んで様子を聴き、ちょっとヤバイな、程度なら採用する。自分の「ヤバイな」と思う限界がだんだん広がってきただけ。

・指が短いので、ハンマリングオンが弱い。なので、エレキギター特有の音回しが苦手である。結果、極く正統派の弾き方が多い。

・Jazzにみられる独特の音回し(ドミナントモーション等)のうち、自分に解る物 (かっこいいと思うもの)で、かつ、勉強しなくても出せた音のみを採用して出しているので、この部分ワンパターンが多い。

・基本、ドリアンモードが心の根底にある。小学校・中学校での音楽の授業に違和感を感じていた原因かと考えている。

・長調ならコレ、短調ならソレ、こうこうこうならアレの7thとか、で弾くのもいいが、もっとなんかないの?という危険な遊び心が常にある。コンビネーションディミニッシュを多用するが、いまのところこれが「もっとなんかないの?」状況から出てきた答えで、所謂おしゃれな「OUTする」のとはちょっと違う状況になっているようだ。

 

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